「2度の転職を経験し捉え直した 元客室乗務員というキャリアの価値」
「自分の得意な接客スキルをいかして華やかに働けそうだから」という理由で、新卒では客室乗務員を志望し、就職。8年勤務した後、「接客のプロを目指したい」という想いが強まり、ホテルのコンシェルジュへ転職。
2年勤務した後、「オフィスワークを経験したい」という想いが芽生え、営業事務職に転職。
今回は、そんな異業種への転職を2度経験したAさんに、元客室乗務員というキャリアを現在どのように捉えているのか、インタビューしました。
PROFILE
≪職歴≫
航空会社 ‐客室乗務員(8年)
ホテル業界 -受付・コンシェルジュ(2年)
★現在 ‐営業事務(3年)
⚫️「得意」×「好き」を仕事に!客室乗務員として歩んだ8年のキャリアで身についたスキル
学生時代は、個人経営の小さなカフェでアルバイトをしておりました。
「どうすればお客様に居心地良く店内で過ごしていただけるのか」と考えることが好きで、バイト漬けの生活を送りました。
就活では、友人が金融機関やメーカーへの就職を目指す中、私は、得意でかつ好きな接客をいかしながら華やかに働ける仕事に就きたいという理由で、航空会社のみを志望しました。結果、縁あって第一志望の企業へと入社することができ、居心地の良い空間作りをする対象が「カフェ」から「機内」へと変わりました。
客室乗務員として働き始めると、接客に対するプロ意識が自然と芽生えていきました。
お客様のご質問に対して的確に、時には英語で答えなければならないため、英語も勉強しました.
空港内の各スポットの情報や、お店の品揃えもある程度暗記するなど、自主的に学ぶ習慣が、自然と身についていったように思います。
他にも、時間通りに業務を進行することが求められることばかりですので、「タイムマネジメント能力」も身につけられました。
学べることが多く、やりがいも日々感じられてはいたのですが、30歳手前のタイミングで、「自分が今後どういうキャリアを歩みたいのか」という漠然とした不安を感じるようになり、より真っ直ぐ、一直線に接客と向き合える仕事に就こうと考え、ホテル業界への転職を決意しました。
⚫️2度の転職 / いずれの職場でもいきる客室乗務員での経験
転職後の私は、ホテルのコンシェルジュとして働くことになりました。
コンシェルジュの役割は、期待を超えるサービスを提供し、最高の滞在経験をお客様に味わっていただくことです。「カフェ」「機内」ときて、次は居心地の良い「ホテル」の環境づくりが私のメインミッションとなりました。
お客様からご質問いただく内容は多岐に渡ります。
おすすめのレストラン、観光地、タクシーの手配から、誕生日のサプライズプランのご相談など、覚えることが多くありました。
一方で、我ながら転職後の立ち上がりは、かなり早い方であったように思います。
客室乗務員時代に身につけた「プロ意識を基点とした勉強癖」を発揮できたからだと、分析してます。
業務時間外であっても、自主的に近隣のレストランや観光地を周り、自ら体験することを心がけました。
コンシェルジュの仕事は、お客様との距離が近く、何でもご相談いただける環境で、非常に充実していたのですが、私はまた転職を決意します。
理由は、「オフィスワークを経験したいと思ったから」でした。
きっかけは、学生時代、一緒に就活をしていた友人たちとの定期的な集まりで、
私以外のみんなが「クライアントへの提案資料の作成に追われている」といったような会話をするのです。
その会話を聞くと「私はビジネスメールの作成すらまともにしたことがない」と、いつも自分だけ取り残されたような気分になっていました。
どこか劣等感を感じてしまっている自分を変えるため、オフィスワークを経験できる業種への転職活動をはじめ、縁あって、営業事務へと転職することができました。
オフィスワーク未経験で不慣れでしたが、ここでも比較的早くキャッチアップができたように思います。
理由として、客室乗務員時代に身につけた「タイムマネジメント能力」をいかせたからだと分析してます。
工数の全体感を最初に捉え、時間通りに処理するため、締切から逆算した効率の良い立ち回りを考える癖が自然と身についていたのです。
そして、懸念していたOAスキルも自ら学習し、基本スキルを徹底習得。その後も実務を通して叩きこむことで、事務作業の能力が上がりました。
今振り返ると、「元客室乗務員」であったからこそ救われることばかりです。
正直なところ、転職するまで事務職はルーティンワークのイメージが強く、接客という仕事が好きだった分、今回の転職では『やりがい』は二の次と考えていました。
でも、実際に働いてみたらそのイメージがガラッと変わりました。
営業職のメンバーの業務をサポートするのが主な仕事ですが、
時には会議に出て自分の意見を発言したり、業界の最新情報を集めてメンバーに共有したり、営業用の資料の作成に携わったりすることもあります。
どんどん自分から動いていかなくてはならない事が多く、みるみるうちに面白さを感じるようになっていきました。
接客と事務は全く違う職種のように思えますが、CA時代に培った柔軟な対応力とコミュニケーション能力はどんなポジションでも活かせると実感しています。
未経験職種への転職についても、働いていくうちに、自分の人生で本当に大切なものが何か見えてくる事があります。一歩踏み出すことは、自分の人生を自分らしく生きるためには必要なことでした。